小さな子供のいる家庭の防災グッズ

災害時に備えてグッズを準備することは、大人だけでなく、特に小児がいる家庭ではさらに重要です。子どもは大人に比べて体力が少なく、環境の変化に敏感であるため、災害時に特別なケアが必要です。この記事では、小児がいる家庭が備えておくべき防災グッズと、その選び方について解説します。

1. 食料と水の備蓄

災害時に最も大切なものの一つが、十分な食料と水の備蓄です。子どもは大人よりも体が小さく、脱水や栄養不足になりやすいため、適切な量の食料と水を準備しておくことが必要です。

  • :1人当たり1日3リットルが目安ですが、特に乳幼児がいる場合は、飲み水以外にも、ミルクや離乳食の準備に使う水も必要です。水は、最低でも3日分、できれば1週間分を準備しましょう。
  • 食料:子どもの成長に必要な栄養素が摂れる食料を選びます。離乳食期の子どもには、瓶詰めやパウチタイプのレトルト離乳食を備えておくと便利です。缶詰の果物やスープ、簡単に調理できるパウチタイプのご飯やレトルトカレーなども備蓄しておくと良いでしょう。

また、普段から子どもが食べ慣れているものを少し多めにストックし、賞味期限が近づいたら日常的に消費し、新しいものに交換していく「ローリングストック法」もおすすめです。

2. おむつや衛生用品

乳幼児がいる家庭では、おむつやおしりふきなどの衛生用品も欠かせません。災害時は、衛生状態が悪化しやすく、感染症のリスクも高まります。子どもの衛生を守るためにも、十分な量の衛生用品を準備しておきましょう。

  • おむつ:1日分の使用量に加えて、余裕を持って3〜5日分は備えておくと安心です。
  • おしりふき:水が使えない状況でも清潔を保つために、おしりふきやウェットティッシュを大量に備えておくことが重要です。
  • 消毒用アルコールや除菌スプレー:避難所では衛生環境が悪化しやすいため、手指の消毒や身の回りの物の除菌に使える消毒用品も持っておきましょう。

3. 防寒具や衣類

子どもは体温調節が苦手なため、季節や気温に合わせた防寒具や着替えを備えておくことが重要です。特に避難所では冷暖房が使えない場合があるため、寒さや暑さへの備えが必要です。

  • 毛布やブランケット:寒い時期には、体を温めるための軽量でコンパクトな毛布やブランケットを準備しておきます。特に子ども用に、軽くて柔らかいものを選ぶと良いでしょう。
  • 衣類:着替えは、最低でも2〜3日分を準備します。汗をかいたり、服が汚れた場合にもすぐに着替えができるように、季節に応じた衣類を用意しておきましょう。

また、靴下や帽子、手袋などの防寒具も忘れずに準備しておくと、体温を効果的に保つことができます。

4. 子ども用の医薬品と応急処置セット

子どもは体調を崩しやすいため、子ども用の医薬品も防災グッズに含めるべきです。また、ケガをした場合にすぐに対処できるよう、応急処置セットも準備しておきましょう。

  • 子ども用の薬:熱や咳、下痢などの症状に対応できる薬を備えておきます。特に、持病がある場合は、その薬を多めに用意し、普段から携帯しておくことが大切です。
  • 応急処置セット:包帯、絆創膏、消毒液、体温計などを含む基本的な応急処置セットを準備しておきます。特に、子どもの皮膚はデリケートなので、柔らかい素材の絆創膏やガーゼを選ぶと良いでしょう。

5. おもちゃや絵本、安心できるアイテム

災害時、子どもは環境の変化に対して大きなストレスを感じることが多いです。そのため、少しでも安心できるように、お気に入りのおもちゃや絵本、ぬいぐるみなどを持ち出しグッズに入れておくことが大切です。

  • おもちゃや絵本:子どもが夢中になれるものを数点持っておくと、避難所でのストレス軽減に役立ちます。特に、音の出ないおもちゃや、コンパクトな絵本が適しています。
  • ぬいぐるみや毛布:子どもが普段から大切にしているぬいぐるみや毛布は、心理的な安心感を与えてくれるため、避難所でも心の支えになります。持ち運びやすいサイズのものを選びましょう。

6. 携帯トイレと簡易ベビーバス

災害時には、トイレの使用が難しくなることが多いため、携帯トイレを準備しておくことが必要です。また、赤ちゃんがいる家庭では、清潔を保つために簡易的なベビーバスを準備しておくことも役立ちます。

  • 携帯トイレ:トイレが使えない場合、子ども用の小型の携帯トイレを準備しておくと、スムーズに対応できます。コンパクトで使い捨て可能なタイプが便利です。
  • 簡易ベビーバス:水を使って赤ちゃんを洗うことができない場合でも、簡易ベビーバスがあれば、湿らせたタオルで拭いたり、おむつ替えの場所として使うことができます。

7. 子どものための防災マニュアル

小児向けに簡単に災害時の行動を理解できるように、防災マニュアルや避難時のルールを家族で共有しておくことも大切です。家族全員が災害時の対応を理解していることで、混乱を避け、子どもも安心感を持つことができます。

  • 防災訓練:普段から防災訓練を家庭で行い、災害時の避難方法や安全確保の方法を子どもに教えることが重要です。実際に避難場所に行ったり、避難袋を一緒に準備することで、子どもにも災害時の準備が必要だという意識を持たせましょう。

まとめ

小児がいる家庭では、災害時の備えに特別な配慮が必要です。食料や水、衛生用品、防寒具、医薬品、おもちゃや安心感を与えるアイテムなど、子どもの年齢や状況に応じた防災グッズを準備することで、非常時にも安心して子どもを守ることができます。家族全員が協力して防災の準備を進め、子どもにとって安全で快適な環境を確保しましょう。